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白山市

白山から流れ出す手取川の河口に位置する白山市美川は、室町時代から全国有数の港町でした。江戸時代には、加賀藩の米などを運ぶ回船業が発達し、北前船の時代に絶頂期を迎えました。藤塚神社の春季例大祭「おかえり祭り」では、北前船主が寄贈した豪華絢爛な神輿が御旅所に鎮座し、北前船で各地へ運ばれた「美川仏壇」の技法を駆使した豪華な十三基の台車が練り歩きます。また、手取川を越えると、明治時代に活躍した船主、二代目熊田源太郎の約一万四千冊に及ぶ蔵書を保存・公開している「呉竹文庫」があり、北前船主の財力を知ることができます。

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概要

白山から流れ出す手取川の河口に位置する白山市美川は、室町時代から全国有数の港町でした。江戸時代には、加賀藩の米などを運ぶ回船業が発達し、北前船の時代に絶頂期を迎えました。藤塚神社の春季例大祭「おかえり祭り」では、北前船主が寄贈した豪華絢爛な神輿が御旅所に鎮座し、北前船で各地へ運ばれた「美川仏壇」の技法を駆使した豪華な十三基の台車が練り歩きます。また、手取川を越えると、明治時代に活躍した船主、二代目熊田源太郎の約一万四千冊に及ぶ蔵書を保存・公開している「呉竹文庫」があり、北前船主の財力を知ることができます。

都道府県

  • 石川県

市町村

  • 白山市

類型

  • 寄港地

類型

  • 寄港地

年代

  • 年代不明

関連
文化財

 構成文化財 藤塚神社

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説明

北前船主等が信仰し、奉納物が残る神社です。藤塚神社は白山市美川南町に鎮座する美川地域の産土神で、幕末までは藤塚山王社と呼ばれていました。明治元(1868)年、本吉日吉社に改称した後、明治7(1874)年に現在の藤塚神社となりました。神社の記録では天保7(1836)年に社殿を再建、明治6(1873)年に本殿を北向きから西向きにして東方へ移し、同年拝殿を再建したと伝えられます。境内社の琴平神社は、安政6(1859)年の建築といわれます。北前船主等が信仰した神社で、北前船模型等の奉納物が残されています。「美川のおかえり祭り」は藤塚神社の春季例大祭で、石川県指定無形民俗文化財となっています。

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類型

  • 寄港地

種別

  • 構成文化財
  • 奉納物
  • 建物

所在地

石川県白山市美川南町ヌ167

関連情報

公開

 構成文化財 藤塚神社奉納物

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説明

北前船主等が航行の安全等を祈願、奉納した奉納額や北前船の模型等です。藤塚神社には絵馬や船模型等の奉納品があります。奉納額は拝殿に、神馬、俳額(句額)、素謡番組扁額があり、海上交通の守り神として信仰される琴平宮には、天狗面、銅矛、鳥居形の奉納額、明治期の船絵馬やイナウ奉納額等が奉納され、北前船の交流を窺うことができます。その他、琴平宮には社号額が3点あり、社名の変遷を知ることができます。船模型は、琴平宮に大正2(1913)年奉納の旭丸模型があり、社殿には、幕末から明治時代にかけ奉納された金比羅丸と宝来丸の模型があります。

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  • 寄港地

種別

  • 構成文化財
  • 奉納物
  • 船模型
  • その他

サイズ
構造等

船絵馬 模型 イナウ奉納額

所在地

石川県白山市美川南町ヌ167

関連情報

公開

他地域
との
つながり

北海道余市町
(イナウ奉納額の製作地)

関連
文化財

 構成文化財 御酒(ごんしゅう)

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説明

北前船主が催した宴会等でうたわれた唄です。白山市美川地区には北前船の船方による祭りの祝い唄として「御酒」という民謡が伝承されてきました。キシュウ(起舟)行事や婚礼、家の新築時の建前などの祝賀の席でも盛んに唄われたといわれます。本吉湊での「帆柱起こし」や「立志式」、白山比咩神社の「御贄祭り」でも唄う慣習でした。「御酒」は声を細めて唄う「ほそり節」に似るので「ほそり」ともいいます。一説には、佐賀県北西部の馬渡島で唄われた「まだら節」が北上し伝わったものといわれます。唄の途中に誉め言葉が入るのも特徴といえます。昭和57年(1982)年、美川町無形民俗文化財に指定されました。

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類型

  • 寄港地

種別

  • 構成文化財
  • 民謡

所在地

石川県白山市美川地区

指定

白山市指定無形民俗文化財(1982年)

 構成文化財 おかえり祭り

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説明

白山市美川南町にある藤塚神社の春季例大祭です。御旅所には北前船主が寄進した神輿が鎮座し、北前船で各地に運ばれた美川仏壇の技法を駆使して作られた台車が練り歩きます。祭りの形態は、初日は神輿が、神社から高浜の御旅所まで全町を渡御し、翌日の夜におかえり筋にあたる町内を通って翌朝の未明に神社へかえります。13基の台車とラッパを吹奏する青年団員が御輿の先導にあたります。台車は3輪の曳山で、美川仏壇の技術の粋を集めたものです。おかえり筋の町が毎年交替して御旅所から帰還の道中の所役にあたる慣行は、この祭り独特のものといえます。旧神輿は北前船主紺屋三郎兵衛が寄進しました。近世期に北前船の港町として繁栄した本吉町の伝統を伝えるとともに、民俗学的にも貴重な祭礼行事です。

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類型

  • 寄港地

種別

  • 構成文化財
  • 祭礼

所在地

白山市美川地区

指定

石川県指定無形民俗文化財(2001年)

関連情報

毎年5月の第3土日に開催

 構成文化財 美川仏壇

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説明

北前船での航海に耐えるよう錆付けと堆黒の技法が用いられた仏壇です。美川仏壇は堅牢かつ荘厳で華麗なつくりを追及し、堆黒・ホゾ組立、錆付け等の技法が特徴です。堆黒はニカワと漆でできた厚さ1mmほどの生地を、模様が彫られた原版に敷き、素足で踏んで起こした型を仏壇各部に貼り付け、上塗りの後に金箔を押して仕上げる他では見られない技法です。また、水害に強い技術を求め、錆付けが選択されたことで北前船での運搬に耐えうる仏壇が製造されました。19世紀中頃には湊屋村次郎(1796~1859)が、堆黒の技術等を生み出し、美川仏壇を一躍有名にしました。湊屋村次郎の作品は徳證寺「開山御厨子」や正壽寺「漆絵釈迦三尊像」(ともに白山市指定文化財)等が知られています。

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  • 白山市

類型

  • 寄港地

種別

  • 構成文化財
  • その他

所在地

白山市美川地区ほか

指定

石川県伝統工芸品(1998年)

 構成文化財 ふぐの卵巣の糠漬

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説明

北前船で運ばれてきた食材をもとに加工した発酵食品です。江戸時代から伝わる珍味で猛毒の「ふぐの卵巣」を無毒化します。無毒化するメカニズムは、現代の科学をしても解明されていません。安政5(1858)年の「加越能湊々高数等取調書」に佐渡から北前船で運ばれたフグの卵巣について、「干鰒」の記載があります。伝統の製法を守り、日本海側で捕れた産卵用の「ごまふぐ」の卵巣を半年から1年、塩漬けした後、杉樽で糠漬けし、2年ほど空気に触れないようにイワシの魚醤を注ぎ発酵させます。食品として製造販売が許可されているのは石川県のみです。

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  • 白山市

類型

  • 寄港地

種別

  • 構成文化財
  • その他

所在地

白山市美川地区

 構成文化財 石川ルーツ交流館北前船関係資料

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説明

北前船主集落本吉町関連古文書群と北前船関係資料です。石川ルーツ交流館は、美川地域の歴史や文化を紹介する交流施設で、美川地域の公文書等の資料が所蔵、公開されています。北前船関係資料を多数所蔵し、江戸時代の公用文書控え簿である北前船船主集落本吉町の「御用留」(白山市指定文化財)は、北前船で栄えた美川地域の歴史を窺うことができるほか、近世の「町絵図」が多くのこり、当時の町並みを彷彿とさせます。構成文化財のひとつでもある「美川仏壇」の技術でつくられた「美川のおかえり祭り」(石川県指定無形民俗文化財)の台車(だいぐるま)の「車輪」や、北前船で使用された道具等が展示されています。

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市町村

  • 白山市

類型

  • 寄港地

種別

  • 構成文化財
  • 文書
  • その他

所在地

白山市美川南町ヌ138-1
石川ルーツ交流館

指定

白山市指定文化財
(御用留、1982年)

 構成文化財 今湊神社

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説明

北前船主等が信仰し、奉納物が残る神社です。江戸時代に遡る石造物が多くあり、石材は北前船で運ばれました。白山市湊町鎮座。海陸安全を祈願する八幡大菩薩と、今湊の由来ともされる白山妙理大権現を併せて祀ることから、藩政期は八幡宮・白山大権現相殿(あいどの)と呼ばれ、明治8年(1875)に今湊神社と改称しました。境内中央に、本殿覆屋と幣殿拝殿が一体となった社殿が、東向きに建てられ、本殿は文政7年(1824)の建築。棟札に地元の北前船船主らの名前が列記され、船主らが商売繁盛と航海の安全を願って社殿を建てたことが窺えます。本殿覆屋も建築当初からと予想され、明治39年(1906)年改築時の棟札がのこります。拝殿は、近年発見された棟札により、天保6(1835)年の建築と判明しました。

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  • 石川県

市町村

  • 白山市

類型

  • 寄港地

種別

  • 構成文化財
  • 奉納物
  • 建物
  • 石造物(灯籠、玉垣など)

所在地

白山市湊町カ151

指定

白山市指定文化財
(今湊神社の拝殿及び本殿並びに棟札、1976年)

関連情報

公開

 構成文化財 呉竹文庫所蔵資料

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説明

北前船主熊田家の収集資料及び北前船主集落である湊町に関連した古文書群です。呉竹文庫は、旧北前船主通称「熊源」として知られた二代目熊田源太郎が、自身の蔵書を一般に公開していたものを発展させ、大正11(1922)年、財団法人呉竹文庫を設立、私設図書館の体裁を整えて公開したものです。平成2(1990)年には旧美川町が運営主体となり、博物館的な施設として再生しました。また源太郎の蔵書の一部を1階の書庫に配列し、所蔵品には「明月記断簡」等の古美術品のほか、湊村関連の近世文書や熊田家の家業を示す書類、源太郎に関係する手紙等の呉竹文庫所蔵古文書(白山市指定文化財)があり、いずれも北前船で栄えた湊村や北前船主 熊田家の様子を窺うことができる貴重な資料です。

関連サイト

都道府県

  • 白山市

市町村


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類型

  • 寄港地

種別

  • 構成文化財
  • 文書

所在地

石川県白山市湊町ヨ146
呉竹文庫

指定

白山市指定文化財(呉竹文庫所蔵文書)

関連情報

公開

他地域
との
つながり

北海道小樽市(熊田家の支店所在地)
石川県加賀市(熊田家と橋立の北前船主・西谷家、西出家の関連資料)

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